【ネタバレなし】『蒼海館の殺人』感想│シリーズ第2弾は"水"の中で謎が渦巻く!

基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
タイトル | 蒼海館の殺人 |
著者 | 阿津川辰海 |
出版社 | 講談社 |
ジャンル | 水災ミステリー |
定価 | ¥1,100 |
レビュー者情報

レビュー日 2025/08/17
1. 評価表
評価項目 | 評価(☆1〜5) | コメント |
---|---|---|
ストーリー | ☆☆☆☆ | 事件も災害も恐怖 |
登場人物 | ☆☆☆☆ | 全員特徴的な職業 |
世界観/設定 | ☆☆☆☆ | 水災に見舞われる |
読みやすさ | ☆☆☆ | 話が複雑に絡み合う |
展開のテンポ | ☆☆☆☆ | 色々何かが起きる |
インパクト | ☆☆☆ | そんなに衝撃的ではない |
ボリューム | ☆☆☆☆ | ボリューム多め |
総合評価 | ☆☆☆☆ | 読みごたえ抜群 |
※☆が多いほど良い訳ではない、サクッと読みたい時はボリュームは低いのが正解※
2. 感想
舞台は“蒼海館”。台風で水害に巻き込まれる!
今回の舞台は蒼海館。
台風で川が氾濫寸前。
もうその時点で不穏。
主人公の田所と友人の三谷は、長く学校を休んでいた葛城輝義を訪ねる。
すると祖父の法事で一族が勢ぞろい。
父は政治家
母は大学教授
兄は警察官
姉はトップモデル
叔父は弁護士
肩書きだけで圧がすごい、濃すぎる一家。
探偵・葛城輝義がまさかのスランプ!
今回の葛城は完全にスランプ。
最初の方は探偵としての意味を見失っている。
だが事件に直面し、自分の役割を取り戻す姿が最高に熱い。
祖父の死と嵐の夜の事件
法事には記者も招かれていた。
祖父の死は毒の可能性があると告げられる。
だが真相は不明。
そして嵐の夜、事件発生。
前作のように災害に襲われながら、事件が起きる構図。
前作『紅蓮館の殺人』が“火”なら、今回は“水”。
水の音、不穏な空気。
演出が巧みで、濁流の轟きが聞こえるようだった。
「災害の恐怖」と「事件の恐怖」、二重の恐怖にかられる。
最後の大逆転がすごすぎる!
事件は複雑に絡む。
「この人が犯人?いや違う?」と混乱の連続。
だが最後、葛城が一気に真相を暴く。
その推理が圧巻。
失われていた名探偵の輝きが戻る瞬間で、読後に満足感を得られる。
まとめ|読むなら前作からがおすすめ!
『蒼海館の殺人』を読むなら、前作『紅蓮館の殺人』から読んだ方がいい。
いきなり今作を読むと、葛城がなぜ落ち込んでいるのか分かりづらく、前半でモヤモヤすると思う。
だが前作のラストを知っていれば、葛城の葛藤に共感できる。
結論、『蒼海館の殺人』は読みごたえ抜群。
前作から通して読む価値がある。
3. こんな人におススメ
- シリーズものを読みたい
- 「事件の恐怖」だけじゃなく「災害の恐怖」も味わいたい
- 複雑に絡んだ人間関係が好き

※上記は蒼海館をイメージして画像生成AIで作ったものです※
4.同シリーズレビューリンク
ぜひ、前作「紅蓮館の殺人」からお読みください!