【ネタバレなし】『葉桜の季節に君を想うということ』感想┃ひき逃げ事件の裏に潜む謎とは?

基本情報

項目内容
タイトル葉桜の季節に君を想うということ
著者歌野晶午
出版社文藝春秋
ジャンル社会派ミステリー
定価¥820+税


レビュー者情報

レビュー日 2025/08/28


1. 評価表

評価項目評価(☆1〜5)コメント
ストーリー☆☆☆☆細かい伏線回収をしながら進む
登場人物☆☆全員利己的な部分がある
世界観/設定☆☆特殊設定は無い
読みやすさ☆☆場面の切り替えが多い
展開のテンポ☆☆☆場面の切り替えが多い
インパクト☆☆☆☆登場人物が全員…
ボリューム☆☆☆☆ボリューム多め
総合評価☆☆☆☆最後に現代的な衝撃

※☆が多いほど良い訳ではない、サクッと読みたい時はボリュームは低いのが正解※


2. 感想

怪しすぎる依頼から始まる闇の調査

物語はひき逃げ事件の依頼から動き出す。

「祖父はひき逃げに遭った。
 でも本当は保険金目当ての〇人かもしれない。
 調べてほしい」

ここから登場するのが“蓬莱倶楽部”。
布団1組100万円、水1本2万円を売りつける怪しすぎる会社。
ただの詐欺かと思ったら大間違い。
調べれば調べるほど闇が深い。
主人公はその核心に切り込んでいく。


主人公がクセ者。悪人でも善人でもない!

この主人公、とにかくクセ者。
頭は切れるし論理的。
でも手段は選ばない。
相手が悪人と判断すれば――騙す。
罠を仕掛ける。
ためらいゼロ。
それでも読んでると「本質は悪人じゃない」って思えてしまう不思議な存在感。
信用できるけどアウトロー。
ルールなんて平気で越える。
その危うさが逆に頼もしさでもある。


登場人物多め。でもハマれば一気に中毒化

キャラは多い。
場面の切り替えも激しい。
けど、そこを超えると面白さ爆発。
「あいつとこいつ、そう繋がるのか!」
「まさか、そこまで仕込んでたのか!」
驚きの連続。


ラストでタイトルの意味が刺さる

この作品の真骨頂はラスト。
事件の真相を超えて“タイトルの意味”が突き刺さる瞬間が待っている。
その仕込みがエグい。
読み終えたときに「読んでよかった!」と思える一冊。


まとめ

『葉桜の季節に君を想うということ』は読む体力がいる。
でも必ず得られるリターンがある。
社会の闇、人の業、そして仕込まれた衝撃。
全部が強烈。
これは間違いなく“最後まで読む価値がある社会派ミステリー”。


3. こんな人におススメ

  • 一筋縄じゃいかない社会派ミステリーを求めてる人
  • 主人公の行動がいちいち気になって目が離せないタイプの物語が好きな人
  • 読みごたえたっぷりで、後からじわじわ来る展開が好みの人

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